土地の使用貸借と駐車場:元国税調査官・税理士 松嶋洋が語る!税務署の実態と税務調査対策ノウハウ

元国税調査官が税務調査対策すべてお話しします_元国税調査官・税理士_松嶋洋

本記事は元国税調査官・税理士 松嶋洋がセブンセンスグループのメルマガに掲載したコンテンツの再掲載です。記事内で言及されている法令ならびにその解釈はメルマガ掲載時のものとなります。

親から使用貸借で借りた土地を、駐車場として子が第三者に貸す場合、その所得税の計算でよく間違いがあります。

この場合、その賃料は駐車場業を行っている子ではなく、土地の所有者である親が申告しなければならなりません。

この理由は、土地の貸付けが基本的には不動産所得だからです。駐車場の貸付けも土地の貸付けですので、原則として不動産所得になります。

不動産所得は原則、不動産の所有者が所得を申告するとされていますので、駐車場業を営む子が賃料を管理するとしても、親が申告しなければなりません。

この取扱いは非常に有名ですが、仮に更地でなく、その使用貸借の土地に子がアスファルト舗装した場合の取扱いはどうでしょうか。

単純に見えて、専門家であればあるほど判断に迷うことが多いです。

というのも、
消費税が有名ですが、更地の駐車場とアスファルト舗装をした駐車場では、取扱いが変わるのが税務の原則だからです。

なお、消費税においては、前者の賃料は非課税とされ、後者の賃料は課税とされています。

このため、所得税の申告者もアスファルト舗装すると取扱いが変わり、親ではなく子が申告すると誤解する方もいます。

しかし、この場合にも所得税法上の取扱いは変わらないとされています。

なぜなら、アスファルトは土地に附合して切り離せないものであるため、
更地の駐車場と一緒の不動産所得となる、という整理がなされているからです。

実際、過去の事例では親が敷設したアスファルトを子に贈与し、子が不動産所得を申告したという事例もありましたが、その裁判では親が申告するべきと判断されています。

一方で、親が所有する土地を使用貸借して、子が立体駐車場を建築して課した場合にはどうでしょうか。

先のアスファルト舗装の事例は、土地とアスファルト舗装が切り離せないから、という話でしたが、立体駐車場は土地に附合するようなものではありません。

このため、この立体駐車場の賃料については、子が申告すれば問題ないと考えられます。

しかし、この点税務当局と争いになった事例があるようです。

驚かされることに、税務当局は立体駐車場の一階部分だけを切り出して、一階部分は土地に附合するのでその部分の賃料はアスファルト舗装の駐車場と一緒で、親が申告すべきとして課税したようです。

立体駐車場の一階部分とそれ以外で賃料を按分するとなると、非常に煩雑ですし、常識としては一つの立体駐車場を貸しているのであって、一階のアスファルト舗装部分が独立している訳ではありません。

実際、この事例の審査請求においても、こんな按分は不要とされています。

そこで示された理屈ですが、一階部分は土地に附合しているのではなく、立体駐車場である建物に附合しているとして、建物の貸付けとしてその立体駐車場の所有者である子が申告すればいい、とされた模様です。

追伸、
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元国税調査官・税法研究者 松嶋洋とは?

元国税調査官・税理士・松嶋洋元国税調査官・税法研究者・税理士
松嶋 洋

昭和54年福岡県生まれ。平成14年東京大学卒。国民生活金融公庫(現日本政策金融公庫)、東京国税局、日本税制研究所を経て、平成23年9月に独立。
現在は税理士の税理士として、全国の税理士の税務調査や税務相談に従事しているほか、税務調査対策・税務訴訟等のコンサルティング並びにセミナー及び執筆も主な業務として活動。とりわけ、平成10年以後の法人税制抜本改革を担当した元主税局課長補佐に師事した法令解釈と、国税経験を活かして予測される実務対応まで踏み込んだ、税制改正解説テキストは数多くの税理士が購入し、非常に高い支持を得ている。
著書に『最新リース税制』(共著)、『国際的二重課税排除の制度と実務』(共著)、『税務署の裏側』、『社長、その領収書は経費で落とせます!』『押せば意外に 税務署なんて怖くない』などがあり、現在納税通信において「税務調査の真実と調査官の本音」という500回を超える税務調査に関するコラムを連載中。

参考サイト

著書

押せば意外に 税務署なんて怖くない

引用元:土地の使用貸借と駐車場– 経営・会計コンサルティング

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