
消費税を計算する際、課税売上割合が問題になります。
消費税の売上には消費税が課税される課税売上と、
消費税が課税されていない非課税売上の2種類があります。
この、課税売上割合はすべての売上における課税売上の割合を意味します。
課税売上割合が低い場合、言い換えれば、課税売上の売上に占める割合が小さく、非課税売上の割合が大きい場合、支払った消費税額の控除が制限されることになっています。
このため、非課税売上が大きな事業主は消費税の負担が大きいことが多いです。
その典型例は医療法人などです。
医療法人は非課税売上である保険診療が売上の大部分を占めています。
毎年の税制改正の時期、医療法人が消費税の制度改正を訴えているのは、高額の医療機械に対する消費税を支払っているのに、その控除が制限され負担が大きいからです。
その一方で、偶発的な理由でたまたま課税売上割合が大きく下がり、消費税の控除が減ってしまう場合もあります。
その典型例が土地を売った場合です。
土地の売却は消費税の非課税ですが、土地の売却代金は大きいため、通常は課税売上が大部分を占めている企業も、土地を処分した場合には、その際はたまたま課税売上割合が下がる訳です。
医業のように、経常的に課税売上割合が小さい業種であれば、ある意味仕方がないです。しかし、それ以外の企業について、土地を売ったがために課税売上割合が小さくなり、一時的に消費税の控除が制限されるのも問題と考えられています。
このため、たまたま土地を売った一定の企業については、所定の届出を提出して税務署の承認を受ければ、制限対象となる控除額を減らす 「たまたま土地の特例」 の適用を受けることができるとされています。
この 「たまたま土地の特例」 で問題になるのは、2期連続で土地を売る場合です。
この特例は、たまたま土地を売ったために、一時的に課税売上割合が激減した企業を救済するものであり、それが2期連続であれば、必ずしも 「たまたま」 とは言えません。
このような考え方があり、実際に、この特例を2期連続で使おうとした会社について、税務当局が適用を認ないと指導した事例もあると耳にしています。
2期連続ではこの特例は認められない、といった公的な見解を税務当局が出している訳ではありませんので、現時点では本当に 「たまたま」 土地を売ったかどうか、その点を考慮するのが妥当と考えます。
このため 「たまたま連続で」 土地を売ったに過ぎず、今後土地を売ることはない、といったケースはこの特例は当然に認められるべきでしょう。
しかし、税務当局は杓子定規に処理をすることが多いですから 「たまたま連続」 して土地の売却が行われたことを、真摯に説明する必要があります。
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元国税調査官・税法研究者 松嶋洋とは?
元国税調査官・税法研究者・税理士
松嶋 洋
昭和54年福岡県生まれ。平成14年東京大学卒。国民生活金融公庫(現日本政策金融公庫)、東京国税局、日本税制研究所を経て、平成23年9月に独立。
現在は税理士の税理士として、全国の税理士の税務調査や税務相談に従事しているほか、税務調査対策・税務訴訟等のコンサルティング並びにセミナー及び執筆も主な業務として活動。とりわけ、平成10年以後の法人税制抜本改革を担当した元主税局課長補佐に師事した法令解釈と、国税経験を活かして予測される実務対応まで踏み込んだ、税制改正解説テキストは数多くの税理士が購入し、非常に高い支持を得ている。
著書に『最新リース税制』(共著)、『国際的二重課税排除の制度と実務』(共著)、『税務署の裏側』、『社長、その領収書は経費で落とせます!』『押せば意外に 税務署なんて怖くない』などがあり、現在納税通信において「税務調査の真実と調査官の本音」という500回を超える税務調査に関するコラムを連載中。










