社宅家賃と固定資産税の課税標準額:元国税調査官・税理士 松嶋洋が語る!税務署の実態と税務調査対策ノウハウ

元国税調査官が税務調査対策すべてお話しします_元国税調査官・税理士_松嶋洋

本記事は元国税調査官・税理士 松嶋洋がセブンセンスグループのメルマガに掲載したコンテンツの再掲載です。記事内で言及されている法令ならびにその解釈はメルマガ掲載時のものとなります。

節税が年々制限される中で、中小企業経営者にとって最も効果の高い節税の一つとして社宅の利用が挙げられます。

経営者が、自分の住む家を会社で契約し社宅扱いとした場合、適正賃料を会社に払えば、会社が家主に支払う家賃は全額経費とすることができます。

この適正賃料は、国税職員の社宅の家賃の計算を前提としていると言われることからも分かるとおり、非常に安い金額で計算されることから、有効な節税になるのです。

具体的な適正賃料は、社宅で使われる物件の固定資産税の課税標準額を前提に計算されることになっています。

ここでいう固定資産税の課税標準額について、長年に渡り見解が分かれていた論点があります。

それは、この課税標準額が、固定資産税の住宅用地特例の適用後の低い金額になるか、若しくはその適用前の高い金額になるか、ということです。

固定資産税の計算上、一定の住宅用地については、税負担を軽減するために、固定資産税の課税標準額を6分の1など、用地の状況に応じて一定の割合に圧縮することができるとされています。

この特例の対象になるのであれば、固定資産税の課税標準額が小さくなり会社に支払う適正賃料を更に少額にできるため、その解釈が問題になっていました。

固定資産税は賃貸物件のコストですから、賃料にコストを反映させるという観点からすれば、実際に固定資産税の計算で使われる、特例後の低い金額とするべきと言えます。

一方で、法人税や所得税は適正な時価で課税するという考えがありますから、物件の価値に応じた適正な賃料を出す必要があるはずです。

特例後の金額は、負担軽減措置に基づくもので経済的な物件の価値に基づいていないため合理的ではない、といった見解もあります。

とりわけ、この特例の適用前の固定資産税の課税標準額をベースに計算しても、相場賃料よりも適正賃料はかなり低く計算されます。

特例の適用前を基準としても少額であるのに、特例の適用後になると適正賃料が更に低く計算されるため、流石に税務当局から問題視されるのではないか、といった懸念もありました。

結果として、
実務上は特例の適用前で社宅の賃料を計算される方も多かったように思います。

しかし、権威ある税務雑誌において、社宅の適正賃料の計算においては、この特例が適用された後の圧縮された固定資産税の課税標準額がベースになる、と明記されました。

このため、物件の経済的な価値を反映した適正な時価、という考え方からすれば疑問は残りますが、社宅の節税が更に使いやすくなっています。

節税が限られる昨今、社宅の節税は最大限利用するべきですから、特例の適用前の固定資産税の課税標準額で計算されている方は、早期に契約を巻き直すなどしましょう。

追伸、
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元国税調査官・税法研究者 松嶋洋とは?

元国税調査官・税理士・松嶋洋元国税調査官・税法研究者・税理士
松嶋 洋

昭和54年福岡県生まれ。平成14年東京大学卒。国民生活金融公庫(現日本政策金融公庫)、東京国税局、日本税制研究所を経て、平成23年9月に独立。
現在は税理士の税理士として、全国の税理士の税務調査や税務相談に従事しているほか、税務調査対策・税務訴訟等のコンサルティング並びにセミナー及び執筆も主な業務として活動。とりわけ、平成10年以後の法人税制抜本改革を担当した元主税局課長補佐に師事した法令解釈と、国税経験を活かして予測される実務対応まで踏み込んだ、税制改正解説テキストは数多くの税理士が購入し、非常に高い支持を得ている。
著書に『最新リース税制』(共著)、『国際的二重課税排除の制度と実務』(共著)、『税務署の裏側』、『社長、その領収書は経費で落とせます!』『押せば意外に 税務署なんて怖くない』などがあり、現在納税通信において「税務調査の真実と調査官の本音」という500回を超える税務調査に関するコラムを連載中。

参考サイト

著書

押せば意外に 税務署なんて怖くない

引用元:社宅家賃と固定資産税の課税標準額– 経営・会計コンサルティング

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