JVとインボイス:元国税調査官・税理士 松嶋洋が語る!税務署の実態と税務調査対策ノウハウ

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本記事は元国税調査官・税理士 松嶋洋がセブンセンスグループのメルマガに掲載したコンテンツの再掲載です。記事内で言及されている法令ならびにその解釈はメルマガ掲載時のものとなります。

未だに不満の声が止まないインボイス制度ですが、ジョイントベンチャー(JV)で工事を受注する場合の処理について、疑義があるようです。

JVは複数の建設企業が、一つの建設工事を受注する場合に作る共同事業体です。

共同で事業を受けるため、インボイスについてJVで発行するのか、それとも各企業がそれぞれ発行するのか疑義があります。

法律的に考えると、JVは民法上の組合(任意組合)に当たるケースが多いと言われます。

任意組合の場合、組合員が共同で組合を作り、組合として仕事をし、その収益と費用を各組合員に配分することになります。

このため、各組合員は配分される収益と費用を、それぞれ自分の売上や仕入とした上で、消費税を申告します。

自分の売上や仕入ですから、インボイスについてはそれぞれが、取引先に交付するのが原則です。

しかし、その取引先は、すべての組合員からインボイスを貰うのは大きな手間です。

このため、全組合員がインボイスの登録をしていれば、税務署に所定の届出をすることで、代表となる組合員(業務執行組合員)が単独でJVベースでインボイスを発行できる特例があります。

結果として、JVが任意組合であればこの特例を使うことになりますが、すべてのJVが任意組合とされる訳ではありません。

JVの中には、匿名組合や人格のない社団等という仕組みで作られている場合があります。

これらの仕組みを採用している場合のインボイス制度の詳細は割愛しますが、

  • 匿名組合の場合には匿名組合を動かしている「営業者」がインボイスを発行
  • 人格のない社団等の場合には人格のない社団等の名義でインボイスを発行

このような取扱いとされています。

同じJVでも、法律的には厳密には3パターンに区分されることになり、それぞれでインボイスの取扱いが全く異なります。

ここで問題になるのは、これら3つの区分は会社法や民法に基づいて実質的に判断されるため、的確な判断が困難であるということです。

実際、任意組合になるか匿名組合になるかで、税務当局と争われた判例もあります。

仮に、JVの区分を誤って判断すると、インボイスの取扱いが大きく変わるため大問題になります。

一例として、任意組合と思っていて特例を受けてJVでインボイスを交付していたものの、人格のない社団等とされた場合を考えてみましょう。

この場合、JVの取引先は、人格のない社団等であるJVそのものからインボイスを貰う必要がありますが、それは原則不可能です。

なぜなら、JVを作った組合員は人格のない社団等に当たると思っていませんので、JVベースでインボイスの登録事業者としての登録をしていないからです。

インボイスは登録事業者でないと発行できませんから、こうなると取引先にとっては消費税の払い損となり、大きなトラブルに発展する可能性があります。

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元国税調査官・税法研究者 松嶋洋とは?

元国税調査官・税理士・松嶋洋元国税調査官・税法研究者・税理士
松嶋 洋

昭和54年福岡県生まれ。平成14年東京大学卒。国民生活金融公庫(現日本政策金融公庫)、東京国税局、日本税制研究所を経て、平成23年9月に独立。
現在は税理士の税理士として、全国の税理士の税務調査や税務相談に従事しているほか、税務調査対策・税務訴訟等のコンサルティング並びにセミナー及び執筆も主な業務として活動。とりわけ、平成10年以後の法人税制抜本改革を担当した元主税局課長補佐に師事した法令解釈と、国税経験を活かして予測される実務対応まで踏み込んだ、税制改正解説テキストは数多くの税理士が購入し、非常に高い支持を得ている。
著書に『最新リース税制』(共著)、『国際的二重課税排除の制度と実務』(共著)、『税務署の裏側』、『社長、その領収書は経費で落とせます!』『押せば意外に 税務署なんて怖くない』などがあり、現在納税通信において「税務調査の真実と調査官の本音」という500回を超える税務調査に関するコラムを連載中。

参考サイト

著書

引用元:JVとインボイス– 経営・会計コンサルティング

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