【特別対談】知られざる税理士の有望キャリア「証券化・SPC専門の税理士」とは?その仕事や魅力、年収に迫る【PR】

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みなさんは「証券化」や「SPC」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
一般の人にはほとんど馴染みのないこの言葉、税理士や税理士を目指している人の中には、もしかしたら聞いたことがある人もおられるかもしれません。

実はこの「証券化・SPC」という分野は、会計事務所業界にも20年以上前からあり、専門性が高く、安定性や年収面でも魅力があるにも関わらず、専門の税理士は少ないという知られざる魅力ある領域でもあります。

というわけで、本日は、証券化・SPC分野の黎明期に税理士2科目合格者としてキャリアをスタートし、現在は東京共同会計事務所にてパートナーを務める関口陽平さん(税理士)と、本メディアの編集長で会計業界専門の転職エージェント歴22年の手塚佳彦が「証券化・SPC専門の税理士」の知られざる魅力について語り尽くします。

本記事の目次

街を歩きながら実感できる!?証券化専門の税理士のやりがいや面白さ

手塚(会計事務所名鑑):日本における証券化は、1990年代の不良債権処理を背景に注目され始め、1998年の資産流動化法施行を契機に本格化しました。当時は不動産や債権を証券化することから始まり、現在は、再生エネルギーやインフラ分野などにも広がっていて、社会に欠かせない仕組みとなっています。

証券化された資産を保有するためにSPC(特定目的会社)が必要であり、そこに関連する様々なプレーヤーの中には、SPCの会計・税務や管理を担う税理士もいます。

私自身、20年以上にわたり会計業界を専門に転職やキャリアを支援してきましたが、この証券化・SPC分野は、専門性の高さやキャリアの安定性、業務のおもしろさ、年収の高さなど様々な点において、税理士にとって魅力的な分野だと感じています。
にも関わらず、その魅力は税理士や税理士を目指すみなさんに十分に知られてはいません。

株式会社ワイズアライアンス_代表取締役CEO_会計事務所名鑑編集長_手塚 佳彦株式会社ワイズアライアンス
代表取締役CEO/会計事務所名鑑編集長
手塚 佳彦

会計・税務・ファイナンス分野に特化した転職エージェントにて約10年勤務。東京、大阪、名古屋の3拠点にて人材紹介・転職支援、支社起ち上げ、事業企画等に従事。その後、グローバルネットワークに加盟するアドバイザリーファームにてWEB事業開発、採用・人材戦略を担当するなど、会計・税務・ファイナンス業界に精通。201310月、株式会社ワイズアライアンス設立、代表取締役CEO就任。会計業界専門メディアの編集長として12年、転職エージェントとして22年、会計・税務業界の動向を追い続ける。神戸大学農学部卒業。

関口(東京共同):私も当事務所の採用活動にも関わっていますが、まだまだこの分野は知られていないなと日々感じています。証券化・SPCを専門にしてきたものとして、こんなにおもしろい分野なのにともどかしい気持ちもありますね。

東京共同会計事務所_フィナンシャル・ソリューション部_パートナー_部長_税理士_関口 陽平氏東京共同会計事務所
フィナンシャル・ソリューション部
パートナー/部長/税理士
関口 陽平

1997年、株式会社住友銀行(現:株式会社三井住友銀行)に入行。国内為替、外国為替業務を経て、法人営業等の業務に従事。2003年、税理士2科目合格者として東京共同会計事務所に入所。2008年よりフィナンシャル・ソリューション部の部長、2024年よりパートナーを勤める。
これまで、証券化におけるスキーム組成に係るアドナイス・組成後の会計・税務・資金・法務等様々なコンプライアンス業務、金融関連のスキームにおけるアウトソーシングビジネス等、会計税務を切り口に様々な業務に従事。近年はパートナーとして、社内体制の整備および業務の抜本的な改革(特に内部統制の強化、IT化推進)にも取組中。明治大学商学部卒業。

手塚(会計事務所名鑑):とても専門性が高く、おもしろい分野なのにそれが知られてないのはもったいないですよね。証券化・SPC分野の仕事は「記帳業務が中心で専門性が身につかない」「転職するにもつぶしが効きにくい」など間違った認識や、そもそも「SPCって何ですか?」と言う人も多いですね。

その理由のひとつとして、証券化・SPC分野の仕事は、中小企業の税務顧問を中心とした一般的な会計事務所の業務と比べると、顧客や仕事のイメージがつかみにくいことがあるようにも感じています。
たとえば、中小企業向けの会計事務所であれば、経営者と対話しながら会計や税務の実務を支援するという関係性がイメージしやすいですよね。

関口(東京共同):そうですね。証券化は金融の仕組みのひとつで、実は私たちの身近でも至るところで使われています。例えば、私たちの身の回りにあるタワーマンションやショッピングモールなどは証券化され、SPCが保有する資産となっています。そのSPCの会計・税務・管理を担っているのが私たちのような証券化を専門とする会計事務所です。

手塚(会計事務所名鑑):普段何気なく目にしている建物や施設の裏側に、自分たちが関わっているプロジェクトがある、街を歩きながら自分の仕事の影響や存在を実感できることも、証券化・SPCの仕事のやりがいではないでしょうか?

関口(東京共同):おっしゃる通り、みなさんがご存知のような有名なオフィスビルやタワーマンション、商業施設もそうですし、近年では太陽光発電を始めとした再生可能エネルギーによる発電施設なども証券化の仕組みを使って資金調達が行われています。
ニュースやビジネス誌などを見ながら、「これは自分が担当した案件だな」「あそこも自分が関わった案件だな」といった形で自分の仕事の成果が見える実感もありますね。

手塚(会計事務所名鑑):やりとりするお客様についても、特徴がありますよね。一般的な会計事務所ですと、中小企業の経営者や経理部長の方々とやりとりをします。一方で、証券化・SPC分野では、総合商社や不動産ディベロッパー、メガバンクや地方銀行など、大企業や金融機関の方々との仕事になります。

関口(東京共同):そこも特徴や魅力のひとつだと思います。大きな資金調達が必要なプロジェクトを、大企業や金融機関の方々と一緒にチームで取り組んでいく感覚は、社長の右腕として中小企業経営をサポートする感覚とはまた違う形で、やりがいや達成感のある仕事です。

手塚(会計事務所名鑑):ここは私としてもみなさんに伝えたい点で、税理士や税理士を目指す人も様々ですから、経営者や中小企業の人とのやりとりが向いている人もいれば、大企業や金融機関の人との仕事に向いていたり、そこに面白さを覚える人もいると思います。税理士にはこういった選択肢もあるということがもっと知られると良いなと思います。

株式会社ワイズアライアンス_代表取締役CEO_会計事務所名鑑編集長_手塚 佳彦

SPC・証券化は顧問報酬も年収も高水準?その秘密は一般的な税務顧問とは違う構造にある

手塚(会計事務所名鑑):証券化・SPC分野は年収水準も高いですよね。会計事務所業界には、一般的な法人・個人の税務から、国際税務、外資系企業向け税務、資産税などいろいろな分野がありますが、私が長年業界を見てきた中でも証券化・SPC分野専門の会計事務所は年収水準がかなり高いと感じています。
平均年収は事務所の規模や従業員の平均年齢、人員構成などにもよるので、一括りには言い切れませんが、少なくとも「会計事務所業界の中でも最も年収水準が高い分野のひとつ」とは言えると思います。

その理由を辿っていくと、その背景に「証券化・SPC分野はお客様からいただく報酬が高い」というのがあると思うんですね。
たとえば、一般的な中小企業の税務顧問業務では、会計事務所が顧問先企業から受け取る報酬は「年額」で30万~50万円程度が平均ですが、証券化・SPC分野では「月額」で同水準、あるいはそれ以上の報酬を得るケースも珍しくありません。

関口(東京共同):証券化・SPC分野における報酬が高い背景には、中小企業の税務顧問契約と異なり、会計税務だけで契約を結んでいないところに特徴があります。
多くの場合、税理士等が担う「税務・会計分野のサービス」のチームと、キャッシュマネジメント(資金の管理)や法務対応といった「“非”税務・会計分野のサービス」を提供するチームが連携し、包括的な契約として報酬を受け取っています。つまり高い専門性、かつ、複合的なサービスを提供していることで相応の報酬をいただけているということになります。

さらに、こういった証券化やSPCの管理に必要なサービスを一貫して高い水準で提供できる会計事務所は限られており、参入障壁も徐々に高まっていることが、報酬水準を維持しやすい構造にもつながっていると思います。

東京共同会計事務所_フィナンシャル・ソリューション部_パートナー_部長_税理士_関口 陽平氏

手塚(会計事務所名鑑):低価格化や価格競争が進んでいる税理士業界において貴重な領域ですよね。
また、顧客との契約継続の安定性にも特徴があるのではないでしょうか。
世の中の流れが速い現在では、数年後も顧問先企業の事業が継続し、かつ、今と同じ顧問料を払い続けてくれる保証もありません。SPCも例外ではないものの、期間が決められたプロジェクトに紐づいた法人であることが一般的ですので、少なくともプロジェクトの期間は事業が継続され顧問報酬を得られる安定性があると感じます。

関口(東京共同):おっしゃる通り、証券化ではプロジェクトごとにSPCを設立し、あらかじめ定められた期間の終了に伴いSPCも解散となるため、適切なサービス提供ができていれば、その期間の顧問料は安定的に確保される構造となっています。
多くのSPC45年が期間となりますが、最近はプロジェクト期間の途中でリファイナンスし、延長されるケースがほとんどです。また、SPCを売却する場合でも売却先が別のSPCで、引き続きサポートを継続するケースも珍しくありませんし、長いものだと太陽光発電のように20年程度の長期のものもあります。
そういった点からも、一定の安定性があると言えるでしょうし、当事務所でも実際に取引先とは継続的な関係が築けていますね。

東京共同会計事務所_フィナンシャル・ソリューション部_パートナー_部長_税理士_関口 陽平氏

証券化・SPCの次のキャリアは?外資系金融機関や大手会計事務所にも転職できる希少な専門性が身につく

手塚(会計事務所名鑑):証券化・SPC分野の税理士には様々な専門性を磨くチャンスがありますが、そのスキルを突き詰めることで、一般的な税理士では難しいキャリアへの選択肢も持てますよね。

例えば、会計事務所業界を飛び出し、日系の大手金融機関や外資系金融機関に転職するケースもあります。いわゆる一般的な税理士のキャリアパスだと、外資系金融機関への転職というのはなかなか選択肢に挙がってこないですよね。

関口(東京共同):私は20年以上、この会社に在籍していますので、その間にはもちろん転職していった人もいらっしゃいます。おっしゃる通り、転職先は様々ですが、金融機関や証券化・SPCの領域で転職した人が多く、一般的な税務顧問の領域への転職は少ないように思います。
それは、転職した人に一般的な税務スキルが足りなかったからではなく、証券化・SPC分野で高く評価されるスキルを持っていたからで、給与も含めて魅力的な待遇を提示してくれる場所があったからだと思います。

手塚(会計事務所名鑑):私は、税理士という職業を「大工」に例えてキャリアの話をすることがあります。
たとえば、大工になる、と言ったとき、多くの人は住宅を建てる町の大工さんを思い浮かべると思います。それと同じで、税理士になりたい、という人も、多くの人は中小企業や個人のサポートをする仕事をイメージしていることが多い。
でも、証券化・SPC分野と聞くと急に特殊に感じられて、税理士の本流ではない、と不安になる人もいます。そうではなく、証券化を扱う税理士は、“宮大工”のような存在だと思っています。
宮大工は、寺社仏閣などの伝統建築を手がける職人です。宮大工だから「住宅を建てるスキルが身につかないのでは?」と考えるのではなく、「伝統建築のメンテナンスや再建に必要とされる高度で専門的なスキルも身につけることができる」と考えるべきなのだと思います。
この例えが最適かどうかは分かりませんが、大工と宮大工の位置づけは、中小企業等の税務を生業にする税理士と証券化・SPC専門の税理士の位置づけに似ているように思っています。

関口(東京共同):おっしゃりたいこと、よくわかります。例えば、一般的な中小企業を対象としていても、税法全体をまんべんなく得意な人なんてまずいないと思います。最終的には、それぞれが強みや得意分野を築く必要がありますし、それは証券化・SPC分野も含めてどの分野でも同じだと思います。

私は採用面接の際に、すべての応募者の方々に対してお伝えしていることがあります。それは、会計業界でキャリアを築いていくにおいて「税理士資格を取得した」「税理士試験の科目に合格した」といったことだけでは十分ではなく、これからの時代はそれに加えて明確な専門分野、いわば“プラスα”の専門性を持つことが重要だということです。
こうした考え方に対して、納得して自分の中でしっかりと腹落ちする方もいれば、資格の先にさらにプラスαが必要と言われたことに戸惑う方もいらっしゃいます。前者のタイプの方には、プラスαの選択肢のひとつとして証券化・SPC分野を考えてもらえると嬉しいですね。

手塚(会計事務所名鑑):税理士にとっての証券化・SPCというキャリアの話を掘り下げることができて有意義な時間となりました。本日はありがとうございました!

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取材・執筆:ライター山崎実由貴

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山崎実由貴/ライター(税・会計・経営分野) 大学卒業後、会計事務所に勤務。月次監査、決算、税務申告補助、各種届出等の実務を担当。 その後、編集プロダクションと広告代理店にて「国際会計基準(IAS)」と「バリューマネジメント(経営戦略)」のテキストを制作をはじめ、会計、経営、マーケティング、公会計分野のテキスト編集、Webページの制作、パンフレット、広告媒体の制作、大手新聞社(全国紙)の会計系プロジェクトの事務局業務などに携わる。 2005年に広告代理店退社後、フリーランスのライターとして活動。税・会計・経営分野の書籍の執筆協力、大学や企業のHP、ブログ、パンフレット等の制作、税理士事務所の情報公開用ブログの執筆など、主に税・会計・経営分野での執筆を中心に活動中。近年は、育児・産後ケアに関する記事執筆やオンラインセミナーMCなども担当。 税理士試験一部科目合格(3科目)、FP技能士(2級)、産後ケアリスト(2級)。 自然豊かな茨城県在住でクライアントの9割以上は東京都近郊の首都圏。特急列車を利用して茨城県と首都圏を行き来するハイブリッドワーカー。

会計事務所名鑑について

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