勝ち組会計事務所になるには!?会計事務所の戦略5+10パターン!

年々競争が厳しくなっている会計事務所業界ですが、会計事務所として成功するには戦略も重要です。勝ち組会計事務所になるにはどうすれば良いのでしょうか!?ここでは会計事務所の戦略を5パターンとそこから派生する10パターンにまとてみました。

今回ピックアップしたのは下記のパターンです。

1:総合型

(1)税務型
(2)税務+財務支援型
(3)税務+FAS型
(4)税務+税務コンサルティング型

2:ワンストップ型

3:海外ネットワーク型

4:特化型

(1)医療特化
(2)相続・資産税特化
ⅰ:相続税特化
ⅱ:事業承継特化
(3)証券化・SPC特化
(4)外資系特化
(5)公益法人・特殊法人特化
(6)その他特化型

5:他業種展開型

では、順番に見て行きましょう。

1:総合型

総合型の会計事務所は、一般的な税務サービスを提供する会計事務所ですが、その中でも「税務型」「税務+財務支援型」「税務+FAS型」の3パターンに分かれます。

(1)税務型

記帳代行や決算、税務申告支援を行う会計事務所です。最も一般的な会計事務所であり、中小企業や個人事業主が主な顧客であることが一般的です。

(2)税務+財務支援型

上記(1)の税務型に加えて、資金繰りや借り入れ、金融機関対応の支援も行うタイプの会計事務所です。中小企業の最大の悩みである「お金」に関する支援を行うため、ターゲットとなる顧客も多く、また、「借り入れに強い」「融資を成功させる」というわかりやすい価値が提供できることから、付加価値を発揮しやすい傾向にあります。

(3)税務+FAS型

FASとは「ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス」の略で、デューデリジェンス(財務調査)やバリュエーション(企業価値評価)などのサービスを指します。税務+FAS型の会計事務所とは、税務業務に加えて、デューデリジェンス(財務調査)やバリュエーション(企業価値評価)を行うタイプの会計事務所です。公認会計士が所長の会計事務所に多く見られます。FAS案件は単発の仕事であることが多いですが、報酬額が大きいため、年に数件受注できるだけでも事務所の収益に大きく貢献する傾向があります。

(4)税務+税務コンサルティング型

税務申告や節税指導以外に組織再編や事業承継など高度な税務コンサルティングサービスを提供する会計事務所です。売上高数十億円以上の中堅企業やオーナー企業を顧客としていることが多く、税務顧問で安定収益を得ながら、高収益なコンサルティング業務で高付加価値を提供していきます。

2:ワンストップ型

ワンストップ型の会計事務所とは、税理士以外に、社会保険労務士、司法書士、行政書士、弁護士などが所属し、税務、労務、法務など企業で発生するあらゆる課題にワンストップで対応するタイプの会計事務所です。企業側にとってはひとつの会計事務所に連絡すればあらゆる相談にのって貰える点が魅力であることから、顧客を囲い込むことができます。また、協働している士業同士が顧客を紹介し合うなど、顧客獲得面でのシナジーもあります。

3:海外ネットワーク型

BIG4税理士法人などに代表されるグローバルネットワークに加盟する会計事務所です。 海外ネットワークに加盟するのは日本国内での実績と英語での交渉力などが必要なため簡単ではありませんし、毎年、高額なロイヤリティを支払う必要もありますが、加盟することによって海外から日本に進出してくる企業の紹介を受けたり、日本から海外に進出する顧客がいる際に現地の加盟事務所にサポートを依頼することができます。

4:特化型

特化型の会計事務所とは特定のサービスや業種などを専門に事業展開を行う会計事務所です。これらの会計事務所は、サービスを特定分野に絞ることによって専門性を高め、付加価値を発揮しています。

特化型会計事務所に見られる主なジャンルとしては下記のような6パターンがが挙げられ、近年では、相続税特化や医療特化、外資系特化などの会計事務所は比較的多く見られるようになってきています。また、東京では総数は多くないものの、証券化・SPC特化の会計事務所には大手会計事務所が複数見られるなど存在感を発揮しています。

その他、特化型には様々なタイプがありますので、ここでは「(6)その他特化型」としてまとめてあります。国際税務専門や税務調査の際にのみ活躍する税務調査対応(セカンドオピニオン)、ITや建築、美容院など業種に特化するパターンなどです。

特化型会計事務所の分類6パターン

(1)医療特化
(2)相続・資産税特化
ⅰ:相続税特化
ⅱ:事業承継特化
(3)証券化・SPC特化
(4)外資系特化
(5)公益法人・特殊法人特化
(6)その他特化型(国際税務、税務調査対応・セカンドオピニオン、IT、建築、タクシー運転手、美容院 等)

5:他業種展開型

会計事務所のサービスは必ずしも税務や会計だけに絞られる必要はありません。それ以外のサービスで収益を挙げてももちろん構いません。(厳密には、サービスの内容によっては別法人・事業体で経営しなければならないケースもあります。)

税務会計サービス以外で大成功した代表的な例では、会計ソフトの開発・販売を行うTKCなどが挙げられます。また、税務業務とシナジーのある事業として保険代理店や不動産仲介などを行う会計事務所もあります。その他、会計事務所経営の副業のような感じで不動産や飲食店の経営を行う税理士もいますし、ある程度、成功している会計事務所ではそのノウハウを解説したDVDの販売などを行っているところもあります。

以上、会計事務所の戦略5+9パターンでした。

今後、会計事務所の経営戦略をより掘り下げた記事も掲載していきますのでご期待ください!

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【手塚佳彦/株式会社ワイズアライアンス代表取締役CEO】 神戸大学卒業後、会計・税務・ファイナンス分野に特化した転職エージェントにて約10年勤務。東京、大阪、名古屋の3拠点にて人材紹介・転職支援、支社起ち上げ、事業企画等に従事。その後、グローバルネットワークに加盟するアドバイザリーファームにてWEB事業開発、採用・人材戦略を担当するなど、会計・税務・ファイナンス業界に精通。また、株式会社MisocaのアドバイザーとしてMisoca経営陣を創業期から支え、弥生へのEXITを支援するなどスタートアップ業界にも造詣が深い。 2013年10月、株式会社ワイズアライアンス設立、代表取締役CEO(Chief Executive Officer)就任、会計事務所名鑑編集長。

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